運営する会社

明治44年創業、図書印刷株式会社

老舗印刷会社が手がけるサービスだからこそ、
かたちにできることがあります。
BONの本づくりを支えるのは
熟練の職人たちのたしかな技術です。

BONの写真集ができあがる工程を
沼津工場からお届けします。

[ 印刷 ]
オフセット印刷に迫るクオリティ

大量の部数を印刷するいわゆる商業出版では、オフセット印刷という方法が採られます。出版物ごとに版をつくるため、精度が高くて品質がよいのが特徴です。1冊からつくれるオーダーブック・サービスのBONは、版の作成が不要なオンデマンド印刷でプリントします。一般的にオフセットに比べて印刷の精度が低いといわれますが、BONではオフセット技術を利用したデジタルプリンターを使用。オフセットと変わらないクオリティを実現できる高度な印刷機をつかっています。

印刷機の内部構造。オンデマンド印刷機のなかでもより高精細度のクオリティを実現できる。
写真が印刷されて出てくるところ。特殊印刷を得意とする図書印刷では、特色にも対応できる印刷機を国内でもいち早く導入。

[ 製本 ]
丈夫で開きがよいPUR製本

BONの写真集では、無線綴じなのに強度が高く、開きのよいPUR製本を採用しています。長く手元に置いてほしいから、丈夫なつくりで提供したい。見やすさにはノドの開きも欠かせません。PUR製本は、丈夫でありながらノドの開きがとてもよい製本方法です。PUR製本機では、PUR糊を使って背を固め、本体を包む紙で本文をくるんだクルミ本をつくります。PUR糊は乾きに時間がかかるため、クルミ本の状態で1日寝かせています。

PUR製本前の本文の束。積み重ね方に沼津工場で代々引き継がれてきた現場の知恵が生かされている。本文の束をこうして並べることで、製本作業にスムーズに入れる。

[ 断裁 ]
職人の手による化粧断ち

印刷した原稿は、2回断裁を行います。大きい紙に複数のページを面付けして印刷したものをページごとに断裁するのが1回目。2回目は仕上げの断裁となり、クルミ本の天と地と小口を仕上がりの大きさに断裁していきます。三方化粧断裁とも呼ばれ、職人の谷川雄祐が、手でリズムを取りながら行います。

1回目の断裁の様子。ズレが生じないように慎重に行う。印刷物で何よりも大切なことは、「見当ズレ」を起こさないこと。
三方化粧断裁の様子。断裁機の刃を調整し、自動ではなく手動で機械を操作し、三方を切り落としていく。
小口を断裁した直後。断面がきれいに整う。三方化粧断裁により、クルミ本が仕上がりのサイズになる。

[ 表紙付け ]
表紙付けはすべて職人の手で

1日寝かせて三方化粧断裁を施したクルミ本に、ハードカバーの表紙を付けていきます。職人の手ですべてを行います。適量の水を混ぜながら糊を刷毛で伸ばしていき、表1と表4に一気に塗布していきます。空気が入ったり歪みが生じたりしないように、ぴったりとクルミ本とハードカバーを接合。担当する職人の田口由美は、BONのサービスが始まって以来この工程を担当し、1000冊以上を仕上げてきました。

水で伸ばした糊を刷毛で塗布していく。水の量は気温や湿度も考慮。慣れない人が行うと糊の伸び具合が不均一になる。
プレス機にかける前に、手でかたちを整える。ここでわずかな狂いが生じると、本の仕上がりに歪みが出てしまう。
プレス機でハードカバーの表紙と本文と圧着する。糊を伸ばすところからプレス機の操作まで、一人の職人が3分以内で行う。

[ 仕上げ ]
出荷準備まで自社工場で行う

ハードカバーの表紙を付け、プレス機で圧着したら、いよいよ最終工程です。背ラベルと、BONのシンボルであり1冊の顔となる題箋を貼り付けます。表紙にはあらかじめ空押しでつくった溝があり、その溝に合わせて貼り付けていきます。背ラベルと題箋を貼って仕上がった写真集は、同じ職人の手で丁寧に梱包し、みなさまの元へお届けします。

BONの表紙には、背ラベルと題箋がある。タイトルや名前が印字される背ラベルを先に付ける。細かい作業の一つ。
空押ししてできた溝に沿わせて題箋を貼り付けていく。溝があることで題箋が浮き上がることがなく、フラットな表面の表紙となる。
仕上げた写真集を、BON専用封筒に丁寧に封入する。出荷準備を整えるところまで、すべて自社工場内で職人たちが行っている。
左から、沼津工場Sファクトリー部 特殊印刷加工グループ課長の渡辺慶太、印刷担当の谷川雄祐、製本担当の田口由美、Sファクトリー部部長の西村博充。

図書印刷沼津工場(旧:原町工場)
設計:丹下健三
竣工:1955年
敷地面積:39,284.90㎡

図書印刷株式会社